飲食業のマレーシア進出 クリアすべきハードル

飲食業のマレーシア進出

日本の企業がマレーシアに進出するためには、いくつかのハードルをクリアしなければなりません。当然ですが、日本企業はマレーシアでは外国企業です。その為、国内企業よりも高いハードルをクリアしなければならないことがたくさんあります。営業許可を取るため、就労ビザを取るためなど、様々なシーンで資本金規制などがあるので、一つ一つ課題を洗い出し、クリアしていく必要があります。ここでは、その主要なハードルを簡単に解説します。
具体的に進出する際には、ここにあること以外も含め状況に応じて対応することが求められますので、一つの基本的な参考としてご覧ください。

●外資の参入

Ministry of Domestic Trade Co-operative And Consumerism(MDTCC/マレーシア国内取引・協同組合・消費者庁)発行のガイドラインにより、外資50%超で飲食業を営む場合、事前にMDTCCからWRT(Wholesale Retail Trading)の認可を得る必要があります。認可を受けるためには、最低100万RMの資本金が必要です。(2018年12月現在、1RM=約27円、日本円換算すると2,700万円)
MDTCC の認可期間は 2 年となっており、期限が切れる前に更新を行う必要があります。
ちなみに、このガイドラインは、法律ではないので、遵守しなくても法的に罰せられることはありませんが、営業許可を得たり就労ビザを発行する際にこの認可の取得の有無が確認されるため、事実上必須となります。

●資本金

会社法上の最低資本金は1RMですが、外国企業は会社法だけでなく、ライセンス取得、ビザ取得の面からも資本金の額を検討する必要があります。

前述の通り、飲食店営業の為のライセンス取得のためには、 WRTライセンスの取得が必要であり、その取得条件として、払込資本金の最低額が100万RM必要です。
これは、ハードルが高いと言えますが、出店のための店舗取得、内外装工事、初期在庫、半年程度の運転資金を先に入れると考えれば、日本で新規開業する際と比較して極端に高くはないとも言えます。
なお、マレーシア資本との合弁(マレーシア資本が51%以上)であればWRTライセンスは必要なくなるので、100万RMの資本金の用意が必要なくなります。

飲食業会社が日本人スタッフを常駐させるなど、就労ビザを発行する場合は、 単独資本ならば、やはりWRTライセンスが必要になるので、100万RMの資本金が必要です。
単独資本ではなく、マレーシア資本100%ならば最低25万RM、マレーシア資本との合弁(マレーシア資本が51%以上)であれば35万RMとハードルは下がります。しかし、単独資本ではないので、ローカルパートナーとの信頼関係の醸成など、様々な課題解決が必要になります。

マレーシア進出に必要なライセンス

●ビジネスライセンス

事業所(店舗)所管の地方自治体からビジネスライセンスを取得し、事業所の所在する州の保険局に事業所を登録する必要があります。
ビジネスライセンス取得には、食品法と食品衛生規則に基づいた、食品取り扱いの研修を受講することが必須で、事業主は、保健省が認証している研修機関にて食品取扱者に受講させなければなりません。また、食品取扱者は、チフス予防接種を受けなければなりません。

●看板ライセンス

レストランに看板を設置するには、看板ライセンスを取得する必要があります。
一般的に自治体は事業主が1つのビジネスライセンスで、看板ライセンスなどの複数のサービスや設備を含めた「複合ビジネスライセンス」の申請を認めているので、多くの場合併せて申請します。
複合ビジネスライセンスの認可には、通常資本条件を課されないので、外資100%の会社でも認可されます。

●リカーライセンス

アルコール類を提供する場合は、所轄自治体からリカーライセンスを取得する必要があります。年間費用は、1,320RMですが、1 時間につき RM30 の追加費用を支払えば、営業時間の延長を申請することができます。 (ほとんどの自治体は午前 3 時までが限度)
但し、提供する酒類のアルコール度数が17%以下の場合は、必要ありません。(夜12時まで販売可能)
なお、店舗がホテルや商業地区などにある場合は、イスラム教徒の居住区や学校、モスクから最低 100 メートル離れていなければならないなどの制限がありますので注意が必要です。また、外資企業がリカーライセンスを取得することは、一般的に難しいと言われています。

Shintaro Akanauma

Shintaro Akanaumaアクティス株式会社 代表取締役

投稿者プロフィール

日本で経営コンサルティング会社を経営しており、中小企業のマレーシア進出支援にも力を入れています。
家族はマレーシア、クアラルンプール近郊に在住しており、私も毎月マレーシアと日本を行き来していますので、その中で得た生の情報をお届けいたします!

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